後藤健生の「蹴球放浪記」第143回「日曜日は両替所もすべてクローズド」の巻(1)現金を持たずに外国を旅行する驚きの画像
1980年ヨーロッパ選手権の入場券 提供/後藤健生

 新年に入った。時代は変わった。カタールワールドカップも過去の話だが、20世紀を振り返ると、まさに隔世の感がある。蹴球放浪家・後藤健生が訪れた1980年のヨーロッパ選手権の開催地イタリアは、まさに別世界だった。

■もう少し早く円高になれば…

 2023年の正月も高校サッカーや大学選手権があって、毎日サッカー観戦に明け暮れています。寒い中で1日2試合観戦するのはかなり辛いものですが、まあ、今年は天気には恵まれている方でしょう。そういえば、1か月前はカタールワールドカップの真っ最中で、やはり毎日2試合ずつ観戦していました。はるか遠い昔のように思えます。

 最近、ニュースなどで円相場を見ると1ドル=132円程度で推移しているようです。

 12月に日本銀行が事実上、金融政策を変更し、利上げを容認する姿勢を見せたことで円相場は円高に振れたのです。カタールに行く前には、アメリカのFRB(連邦準備銀行)が利上げを繰り返して日本との金利差が大きく開いたために円安が進んで1ドル=150円ほどになっていました。「あと2か月早く金融政策の転換をしてくれていたら、ずいぶん助かったのになぁ」と思います。

 カタール・リアルは11月には1リアル=約40円でしたが、今では1リアル=36円程度になっています。

 しかし、滞在中は実際の相場がどうなっているのか、あまり意識することはありませんでした。ほとんどの買い物がクレジットカードですむからです。滞在中、現金は1万円ほど両替しただけでした。

 まったく便利な世の中です。海外に行っても現金を使うことがないので(たいていの国が日本以上にキャッシュレスになっています)、両替など必要ないのです。

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