■日本独特の育成ルート
その他の国でも、ブラジルのロドリゴやヴィニシウス、準々決勝でハットトリックを達成したポルトガルのゴンサロ・ラモスなど20歳前後の若い選手が数多く活躍していた。
それに対して、日本代表で活躍した20歳前後の選手は久保建英だけだった。いずれ、将来は日本でも20歳前後の選手も活躍できるようにならなければ世界には追いつけないだろう。
日本で20歳前後の選手がフル代表で活躍できないことにはいくつもの原因が考えられるが、ユース年代(U-18)を卒業した後の受け皿がないことも一因だろう。
これは、Jリーグが発足した直後から問題とされてきたことで、その後J1クラブからJ2やJ3のクラブに期限付き移籍して出場機会を与えることも多くなってはいるが、根本的な解決には至っていない。
最近では、ユース年代を卒業した選手が大学に進学して大学で実戦経験積んでからプロクラブに戻るというルートが確立されている。
カタール大会の日本代表でも守田英正や三笘薫、相馬勇紀といった大学出身の選手が活躍した。まさに、日本と韓国にしかない育成方式である。
こうした方式が可能になったのは、大学サッカー関係者の努力に負うところも大きい。将来のプロ選手の育成ということを十分に考慮して新人戦など出場機会を増やし、大学同士の切磋琢磨の結果、大学リーグの試合のレベルは間違いなく上がっている。
すべての選手が19歳で才能を花開かせることはできないのだから、こうした日本独特の育成ルートが存在することは貴重なことであり、今後とも大事にしていくべきだろう。