ワールドカップは終了したが、サッカーのサイクルは止まらない。日本代表も、さらなる成長を目指していく。そのために重要なのが、若手の台頭だ。日本サッカーの未来を切り拓く若年代の育成について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■台頭する世界の若い才能
2022年ワールドカップに出場した日本代表でオリンピック世代の選手が活躍できたことは、確かに喜ばしいことだ。
しかし、目を世界に転じるとオリンピック世代(つまり25歳の選手)などとても「若手」とは呼べないのが現実だ。
優勝したアルゼンチンでは、リオネル・メッシの相棒として多くの選手が起用されたが、最終的な“解”は22歳のフリアン・アルバレスだった。37歳の大ベテラン、ルカ・モドリッチが引っ張って2大会連続でベスト4進出を成し遂げたクロアチアでは、20歳のDFヨシュコ・グヴァルディオルが粘り強い守備で貢献していた。
イングランドは準々決勝でフランスに敗退したが、素晴らしい戦術的サッカーを披露した。その中盤を担ったのは19歳のジュード・ベリンガムや23歳のデクラン・ライスだった。最終的にベテランのジョーダン・ヘンダーソンにポジションを譲ったものの、23歳のMFメイソン・マウントのパフォーマンスも悪くはなかった。さらに、攻撃では21歳のブカヨ・サカや22歳のフィル・フォーデンもブレークした。
大会得点王に輝いたフランスのキリアン・ムバッペは2大会連続で大活躍したので「若手感」など微塵もないが、ワールドカップ閉幕直後に24歳になったばかりの選手なのだ。