■「彰悟の気持ちももちろんよく分かる」
谷口は、「最初は、“もう何でだよ⁉”っていうのは言われました」と明かしたうえで、「でも」と、その後、中村氏の寄り添ってくれたことも話してくれた。
2020年シーズンをもって現役引退したバンディエラは、「彰悟の気持ちももちろんよく分かる」とサッカー選手として、海外でのプレーを経験したい気持ちを汲んだという。だからこそ、「もう決めたからには頑張ってきて」、「フロンターレを巣立って活躍してこい」と、肩を押した。「とにかくフロンターレで育ったんだから」とも、言葉にしたという。
谷口にとって、初めての移籍となる。その決断を、現在31歳という年齢で、しかもキャプテンという立場で下すこととなった。だからこそ、決意を示す過程は慎重に行った。
「(相談は)ほとんどしていないです。事後報告というか、決断した後の報告となりました」と、自身の中で自問自答を繰り返したことを明かしている。
「この年になっても成長できるっていうのは、これまでのフロンターレの先輩を見てて、すごく感じる。憲剛さんもそうだし、(小林)悠さんもそうだし、(チョン・)ソンリョンさんもそうだし、(家長)昭(博)さんもそうだし、年齢を重ねていくにつれて、すごみを増してくる先輩方をたくさん見てきたので、自分もまだまだ落ち着くところじゃないなと。むしろここから成長の加速度を上げて、もっともっと上にいけるなっていう思いも持った」
川崎フロンターレの先輩の背中を見たからこそ、谷口彰悟はさらなる成長を追い求める。