カタールワールドカップでクロアチア代表の進撃が続いている。その躍進の影にあったルカ・モドリッチの言動に、感動の声が広がった。
クロアチア代表はラウンド16、準々決勝と、2試合続けてPK戦にもつれ込む接戦を制してベスト4へと勝ち進んだ。特にラウンド16ではGKドミニク・リバコビッチが日本代表のキックを3本セーブし、その存在がクローズアップされていた。
その働きぶりはまさに守護神と呼びたくなるものだが、大会前から長期間を通して大きな期待を受けていたわけではない。ヨーロッパ予選では芳しくないパフォーマンスを披露したこともある。また、クロアチアが準優勝に輝いた前回大会、リバコビッチは控えGK。その翌年から出場機会を増やしたが、ベンチを温めることも少なくなかった。
そんなリバコビッチに勇気を与えていたのがモドリッチだ。FIFAは大会ホームページで、同選手をはじめとする数名の代表チーム主将に焦点を当てたドキュメンタリー「Caprains(キャプテンズ)」を公開。その一部がツイッターに投稿された。
動画内では、調子の上がらない時期を過ごしていたリバコビッチの隣に、モドリッチが腰を下ろす。そしてチームメイトにこう語った。
「もし僕が君のことを気にしていなかったら、こんなことを言わないよ」
「代表チームでの、君の進歩が見えない。プレッシャーのせいだと思う? たぶんそれは、君自身に責任があると思う。それはチームにも伝わっている」
やや厳しいようにも聞こえる言葉を投げかけたあと、モドリッチはこう伝えている。
「どうして間違えちゃいけないの? 誰にでも失敗はある。君の問題は、失敗を恐れていることだ。失敗しない人間なんているのか?」
そして最後に「君は素晴らしいGKだ」と語りかけ、リバコビッチを勇気づけた。