日本サッカー協会は、カタールワールドカップでのクロアチア戦後の日本代表の様子を動画で公開した。激戦の後の舞台裏の光景に、感動の声が広がっている。
日本代表はラウンド16でクロアチア代表と対戦した。グループステージではドイツ、スペインという強豪チームを撃破。その勢いに乗りたいところだったが、延長戦を戦っても決着はつかず、PK戦の末に大会を去ることになった。
その運命の一戦の前後の様子が公開された。YouTube公式チャンネルで、日本サッカー協会が舞台裏を明かしている。
試合に向けてのミーティングで、森保一監督は「できれば90分でけりをつけて勝ちたいけれど、そんなに甘くない相手」と語っている。指揮官の事前の想定が正しいことが、その後の実際の試合で証明された。
トレーニンググラウンドに出ると、夕闇が徐々に広がっていく。選手たちは相手のプレーの動画を真剣に見つめ、コーチの指示を聞く。全体練習終了後も体を動かし、選手同士で言葉を交わしながら、大事な試合への準備を進めていった。
試合直前のロッカールームで、キャプテンの吉田麻也が「ベルギーとの試合から1617日」と、全員で組んだ円陣で声をかける。4年前に、あと一歩のところで逃したベスト8進出をつかみ取りにいったが、その夢は、またしても次回大会に臨むチームに託されることになった。
悔しい敗戦に違いない。言葉も出ない選手たちに向け、ロッカールームで「顔上げていこう」と声をかけていたのは川島永嗣だったが、廊下では森保監督と抱き合って涙をこらえている。その森保監督も、長友佑都と熱く抱擁を交わすと、度は自分が涙をこらえなければいけなかった。
森保監督はひとり別室に入っても、試合中と変わらずメモ張にペンを走らせていた。最後は、誰もいなくなったピッチに向かってひとり立ち、大きく息をついた。