■12月6日/カタールW杯 決勝トーナメント・ラウンド16 モロッコ代表 0―0(PK:3―0) スペイン代表(エデュケーション・シティ・スタジアム)
モロッコ代表が快挙を達成した。ラウンド16にてスペイン代表を破り、史上初のベスト8進出を果たしている。
この試合におけるモロッコの基本的なゲームプランは、同じくスペインに勝った日本代表と類似していた。ミドルプレッシングでやや低めの位置にラインを敷いて、カウンターからゴールを狙う形だ。
チームは4-1-4-1のミドルブロックを設置して、CFのユセフ・エン・ネシリがセルヒオ・ブスケッツを監視。相手のCBには比較的ボールを持たせるようにして、それ以外の選手をゾーンとマンツーマンの併用でブロックしていた。奪ったときには基本的に縦に速くつける。WGのソフィアン・ブファルとハキム・ツィエクのクオリティ、そして右SBアクラフ・ハキミの追い越しも効果的だった。
ただし、モロッコが日本と少し違っていたのは、“遅攻”の精度も高かったことだろう。GKヤシン・ブヌも経由しつつ相手の圧力をいなしていき、ゆったりとボールを持つ機会をつくりつつ、うまく試合を運んでいた。この点に関しては、即時奪回によってボールを支配したいスペインの立場からすると厄介だったはずだ。
加えてアンカーのソフィアン・アムラバト、そしてCBの2人を中心とした堅守も光り、前半はモロッコがシュート本数で上回っていた。