■スペインは良い時間帯に決めることができず、PK戦へ

 前半の終盤~後半18分にかけて、スペインはIHであるペドリとガビの位置を交換。ビルドアップ時、前者を右SBの位置に下げて後方支援させ、後者は裏抜け要員として左サイドの相手守備陣を惑わせた。

 スペインはモロッコのIHをうまく誘い込むと、空いたスペースでガビが受けたり、もしくはガビが裏抜けしてそこにWGのダニ・オルモが入ったりと、巧みなポジションチェンジを駆使して攻撃していく。ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)はこの形がハマっていたようにも見えたが、良い時間帯に得点を奪うことができず、ガビは交代。代わりにカルロス・ソレールが入り、再びペドリと位置交換している。

 チームはソレールと同時にアルバロ・モラタも投入し、後半31分にはニコ・ウィリアムズをピッチに送り込むなど、クロスからの攻撃も増やしていく。終盤には何度かペナルティエリア内に侵入したが、ネットを揺らすには至らず、試合は0-0で延長戦に突入。この30分間で両チームは直線的な攻撃が続き、最後にはスペインが敵陣へと押し込む。

 そして延長後半18分にはパブロ・サラビアがペナルティエリア右でフリーとなり、クロスをダイレクトでシュートするも、ポスト左に直撃。スペインもモロッコもチャンスを活かし切れず、試合はPK戦で決着をつけることになった。
 
 そのPK戦ではスペインの選手が3人連続で失敗。モロッコは4人目のハキミが成功して、アフリカ勢4チーム目となる準々決勝進出を果たしている。

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