■新興国も勝てる

 だが、チームが集合してから3週間近くが経過してグループステージの3試合を通して各チームはチーム力が上がってきているはず。うまくリズムを上げてきたチームが優勝に向かうのだろう。ブラジル、イングランドは強さを維持しているし、一方アルゼンチンなどは試合とともに改善してきている。ドイツ、スペインは立て直しができないまま姿を消したということになる。

 それでも、モロッコがやってみせたように、いわゆる「伝統国」以外の新興国がラウンド16を勝ち抜いて上のステージに進むことはけっして不可能なことではない。いや、各大会で1つや2つはそういうケースがあるのだ。

 4年前のロシア大会では、開幕前は「開催国がグループリーグで敗退するかも」と言われていたが、ロシアは開幕戦でサウジアラビアを破って波に乗ると、ラウンド16ではスペインをPK戦で破って準々決勝に進出。準々決勝でもクロアチアと撃ち合いの末にPK戦で敗れた(ホームの利はあったが)。

 その4年前のブラジル大会ではコスタリカ旋風が吹き荒れた。イタリア、イングランド、ウルグアイと優勝経験国3つを退けてグループステージを首位通過すると、準々決勝まで進んでオランダ相手にPK戦に持ち込んだ。もっとも、ラウンド16でコスタリカが破ったのはなんとギリシャだったのだから、彼らのラウンド16突破は多分に幸運に恵まれたものでもあった。

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