2人合わせて「ワールドカップ25大会」を取材した、ベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生。2022年カタール大会でも現地取材を敢行している。古きを温め新しきを知る「サッカー賢者」の2人がカタール・ワールドカップをあらゆる角度から語る!
■番狂わせは起きる
大住さんは「負ければ即敗退のノックアウトステージでは『番狂わせ』が起こりにくい」とおっしゃったが、さっそく起こってしまった。スペインがモロッコにPK負け。スペインの得点力不足は思っていた以上に深刻だったようだ。
しかし、ノックアウトステージで「番狂わせ」が起こりにくくなるというのは一般的な事実ではある。
グループステージでは、優勝を狙っている国は7試合目まで見据えて戦っている。約1か月の長丁場を、最初から最後までフルコンディションで戦うのは不可能だから、優勝を狙うためにはノックアウトステージに入るころに照準を合わせ、グループステージでは辻褄を合わせながら乗り切りたいところなのだ。
とくに、今年のワールドカップはヨーロッパのシーズン真っ最中の11月に開幕し、開幕の前週末まで各国リーグ戦が行われていた。したがって、代表チームは準備不足のまま大会が始まってしまった。