カタール・ワールドカップに出場している日本代表は現地時間１日、グループステージ最終戦でスペイン代表を２－１で破り、決勝トーナメント進出を決めた。ドイツ代表に続く今大会２度目の優勝経験国撃破の理由と、この勝利が次のラウンド１６でのクロアチア代表戦、さらにその先の日本代表にもたらすものを、ベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生が語り尽くす。
■気になる精神的疲労
――ラウンド１６では、延長戦に入る可能性もあります。
後藤「じゃあ、９０分間は死んだふりをしよう（笑）」
大住「延長戦に入ると、もう１人交代できるからね。選手がいれば、の話だけど」
――伊東純也はスペイン戦でフル出場して、負担が大きかったのではないかと気になります。
大住「彼はタフな選手だよ。最後まで、あまり疲れを感じさせなかったよね」
後藤「休ませてあげたいなと思って見ていたけど、順序からいくと頑張ってもらうしかないかな」
大住「それより、一番心配なのは吉田麻也だよね。この試合の最後の時間帯に要求される守備の集中度といったらとんでもなかったもん。あの精神的疲労から回復するのは、なかなかに大変なことだよね」
後藤「前半はちょっと不安定なプレーが何度かあったけど、後半はすごく良くなったね」
大住「権田修一が弾いたボールをクリアしたプレーなんて、本当に集中しきっていたよ」
後藤「守備陣も前半はちょっとミスがあったけど、逆転してからさらに気持ちが入っていたよね」
大住「相手としたら、こんなチームとはやりにくいよね。前半と後半で、全然違うんだもん」
――次も総力戦ですね。
大住「ベスト８以上を目指してきて、本当にその目標に挑む戦いに臨めるという事実を前向きに活かしてほしいよね」
後藤「このフル代表だけの話じゃないんだよ。日本サッカーというのはどの大会に出ても、ほとんどグループステージは突破するんだけど決勝トーナメントの一発目でやられちゃうわけだよね。そんなことばかり。トーナメントの一発目を勝ち抜くということを重ねていった上で、将来的に優勝を狙うと言えるわけだよ。だから、森保ジャパンだけじゃなくて、日本サッカー全体にとっての夢を広げる大事な試合だよ」
