後藤健生の「蹴球放浪記」第138回「カタールワールドカップ取材で泊まる部屋」の巻(2) スタジアム建設に従事したネパール人の告白の画像
チュニジアのサポーターの姿も見られる 提供/後藤健生

 ワールドカップが開かれているカタールは、蹴球放浪家・後藤健生にとって、勝手知ったる国である。だが、全土を知り尽くしているわけでもない。今回、2011年のアジアカップで「未開拓」だった地区に、思わぬ形で足を踏み入れることになった。

■労働者のための「クラスター」

 メトロ「赤ライン」最南端のアルワクラ駅からシャトルバスで30分強。南北に2キロ以上、東西1キロの敷地内に、3階建てのまったく同じデザインのビルが延々と立ち並んでいます。

 6つのビルが「クラスター」というどこかで聞いたことのある単位で一つのユニットになっています。僕が泊まっているのは「クラスターT」。一つの建物には3階まで含めて120部屋があります。クラスター全体で720部屋。クラスターはAからUまであるようです。だから「T」と「U」は最新というわけです。まだ、完成はしていません。まだ部屋の中のトイレとシャワーは使えますが、キッチン部分は未完成のままです。今は「T」と「U」が完成したところですが、今後さらに「V」以降も建設されるようです。

 今は、だだっ広い部屋にベッドが2つ並んでいますが、完成時には1部屋に4人ずつということになるようです。

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