ヴィッセル神戸は、セルティックへの移籍が決まったDF小林友希の特別インタビューを公開した。幼少期などの秘蔵写真や動画とともに語られる生え抜きの思いに、喜びと感動、期待の声が広がっている。
クラブのYouTube公式チャンネルで公開された動画は、チームメイトが揃ったロッカールームでのシーンから始まる。神戸の選手らを前に小林は、「今年でヴィッセル神戸を退団して、移籍することになりました」「僕自身、目標のひとつであったヨーロッパのクラブでプレーするというチャンスが今回来たので、チャレンジしてきます」。小林から海外移籍の報告を受けるチームメイトたちの中には、頭を垂れてずっと視線を下げている選手もいる。
小林は6歳だった幼稚園の年長からヴィッセル神戸のサッカースクールに通い始めた、生粋の生え抜きだ。小さな体でボールを扱う様子など、動画の中ではさまざまな小林の姿が映し出されていく。
ジュニアユースに入っても体が小さく、自分なりに工夫してきたこと、心が折れそうになったこと……さまざまな節目を、小林が回想していく。
今回の選択に至るヒントも、成長過程にあった。2017年のU-17ワールドカップで、小林らU-17日本はフランスに1-2で競り負けたものの、グループ2位で決勝トーナメントに進出した。ラウンド16ではイングランドと対戦し、結果こそPK負けとなったが、スコアレスドローを演じた。
そして、小林には大きな痛みが残ったという。現在、カタールワールドカップに出場しているフィル・フォーデンに、衝撃を受けたというのだ。
「何度か彼に縦パスが入った時に取りにいくことがあったんですけど、今までの全力を出してボールを取りにいっても本当に簡単にかわされてしまう」
「今の自分とは差があると思うので、だからこそその差を埋めるためにも海外に出ないといけないと思わされました」
今回のセルティックからのオファーは願ってもいないものだった。
「うれしかったというのと同時に、自分にとってチャンスだなと思いました。行きたくても行けるものではないですし、海外にただ行けばいいというわけでもないので。チャンピオンズリーグに出る可能性があるクラブに行けるというのは、自分にとって本当に大きなチャンスだと思います。」
「年齢的に、いつでもチャレンジできるわけでもないですし、いつそのチャンスがめぐってくるかも分からない」
U-17W杯でともに戦った久保建英らは、すでにヨーロッパでプレーしている。そこに続く格好になるが、「いろいろなタイミングがある中で、自分はこのタイミングだったなと思っている」と、自分らしく進み続けることを宣言した。