【記者席から見たスペイン代表(2)】サッカー日本代表に求めたい“後半での逆襲”。三笘薫の投入タイミングと、ドイツ戦で見せたまさかの“強度落ち”の画像
スペイン代表がドイツ代表と戦ったアル・バイト・スタジアム 撮影:中地拓也

 日本代表は、グループリーグ突破をかけて現地時間12月1日に日本代表と対戦する。引き分けでも突破の可能性はあるものの、日本は勝利を狙うことがベターな立ち位置にいる。その一戦を前に、11月27日に行われたドイツとの試合を現地観戦した。

 前半、ドイツを圧倒したスペイン代表だったが、後半は極端に強度が落ちる展開となった。ドイツがプレスの強度をさらに上げたこともあるが、前半から激しく行ったスペインの体力的な問題もあるだろう。

 ドイツが反撃に出ようとする中で、この試合の最初のカードを切ったのはスペインだった。後半9分、フェラン・トーレスに代えてアルバロ・モラタを投入。これに伴い、3トップの構成を変える。スタート時は左から、ダニ・オルモ、マルコ・アセンシオ、フェラン・トーレスだったのを、左からダニ・オルモ、モラタ、アセンシオとしたのだ。

 アセンシオは本来ウインガーの選手だが、この大会では最前線で起用されている。とはいえ点取り屋ではないため、中盤に下がってプレーすることが少なくない。クイックネスの効いた動きを生かして中盤でのボール保持を助けることで、前半のスペインのポゼッションの高さにも寄与したが、逆に言えば、それが保持率に対してシュート本数が少なかった要因でもある。

 それに対してモラタは、執拗に背後を突こうとしていた。それは、スペインの強度が落ちた中で相手最終ラインを押し下げたい狙いがあったはずだし、クロス攻撃での“ターゲット”にもなった。

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