■シュート本数はドイツが上回る
実際、後半17分にはモラタがジョルディ・アルバのクロスにニアで合わせてゴールを決めてみせた。モラタ自身がターゲットになったことでスコアを動かしたが、同時に、“ターゲット”が最前線にいることで、その一つマイナスの場所にクロスを入れることも共有されていた。
その際、クロッサーはモラタに蹴るような重心移動を見せながらマイナスに出る場面が複数回あり、ドイツはその都度、危険な思いをすることとなった。
CFに求める役割が前後半で違ったが、それは、チームの強度が落ちることを前提としているかのようだ。
そして、スタッツにも表れているように、この後半のスペインは攻略のカギとなる。強度が落ちたことで、ドイツにシュートまで持っていかれる回数が各段に増えている。前半は4本ずつだったシュート本数が、後半はスペインが3本だったのに対し、ドイツは8本。そして、枠内シュート数は、90分終了時点でスペインが3本、ドイツが5本。スペインはストライカータイプの選手がスタートからいないこともあって、ボールを保持してもシュートまで効率よくは持っていけていない。前半のようにはボールを前線に供給できないことで、モラタを投入しているかのようだ。
このように攻守において後半に落ちるスペインだからこそ、日本代表もこのタイミングで“逆襲”に出たい。ドイツが前半を耐えしのいだように、日本がドイツ相手に最少失点で最初の45分を耐えたように、日本もスペインのボール保持に耐え、後半に勝負に出るのだ。