■あまりにも消極的だったイラン
翌21日のイングランド対イラン戦でも、アジア勢が打ちのめされた。カルロス・ケイロス監督が指揮するイランが、2対6の大敗を喫してしまったのである。
5-4-1に近い5-3-2で構えるイランは、序盤からかなり控え目だった。レギュラーGKのアリレザ・ベイランバンドが、味方選手と衝突して20分で交代したのは不運だった。
それにしても、彼らの戦いかたはあまりにも控え目だった。消極的だったと言ってもいい。イングランドに押し込まれるとしても、カウンターで背後を取るイメージが、まったくと言っていいほど感じられなかったのだ。
20日の練習後に、GK川島永嗣がこんな話をしている。
「弱気なところが見えたら、相手に突かれる。18年W杯のベルギー戦も、自分たちが最初から強く入れたことで前半は主導権を握れた。W杯の初戦で弱気な選手はいないし、自分たちを100パーセント信じてピッチに立つ。途中から入る選手も含めて、強い気持ちで入っていかないといけないと思う」
チーム内で共有されている初戦の重要性は、カタールとイランの敗戦によって、「試合の入りかたに気をつけなければならない」という具体的な対応に結びついている。