W杯ではどうなる?

 そして2005年には、スローインのときには相手側選手は2メートル以上離れなければならないというルール改正が行われた。これも、スローインのときの不必要な争いをなくし、試合をスムーズに進めるためのものだった。

 ここ数年、ロングスローが重要な攻撃方法としてクローズアップされるようになった。今回のワールドカップでも多用される可能性が高い。だがロングスローを得意とする選手の投げ方を詳細に見ると、「実際には片手投げ」という例が少なくない。スローモーションを見なくても、投げ終わったときの両手の形で一目瞭然である。

 これはサッカーのルールの精神の重大な柱である「公平性」を大きく損なうものだ。いちいちファウルスローを取る必要はないかもしれないが、ロングスローからゴールに結びついたときには、VARはしっかりと投げ方までチェックしなければならない。VARの「プロトコル」にはそんなことははいっていないかもしれないが…。

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