■中でも外でもムバッペ
それでもフランスは整理した攻撃からチャンスを作っていく。アドリブ性の弱い、用意してきたであろう攻撃を次々と繰り出し、ゴールネットを脅かす。そして前半27分、32分と立て続けに得点。オーストラリアにわずか18分しかリードを許さない形で、前半のうちに逆転してしまったのだ。
オーストラリアとしてはブロックを組んで何とか耐えしのごうとしたが、ボールを奪う術を実装していなブロックではただ受け止めるだけでしかなく、失点してしまったのも当然のことではあった。
さらに、先制点同様の形で得点を狙いたかったが、ラビオが立ち位置を早い時点で修正したこともあって、唯一の可能性も奪われていた。
前半のうちに見事な逆転を見せたフランスだったが、後半、さらに攻撃時の立ち位置を変えていた。前半は大外にいたムバッペを1列だけ中に移し、大外には左SBが立つことに。そしてこの配置が追加点を呼ぶ。後半23分に右サイドからのクロスを頭で合わせて3点目が生まれたのだが、そのスコアラーこそムバッペだったのだ。前半よりも中央にポジションを寄せたことで、点で合わせてみせたのだ。
そのムバッペが直後に大外に移って縦に突破。スピードを生かして上げたクロスを、ジルーが押し込んで4点目をうばった。中に入れば得点を奪う、大外ではスピードを生かしてクロスを供給する。フランス代表はムバッペの能力を存分に生かして後半に点数を重ねていった。