■裏切られた期待
僕は、実はこのFIFA理事会の時にはスカパー!の特別番組の解説者をしており、理事会開会前にはこんな予想を語っていた記憶がある。
「不透明な資金提供を受けたFIFA理事は、当然、その見返りとして1回目の投票ではロシアやカタールに投票するだろうが、過半数を得る国が出るまで繰り返される投票の中で次第に伝統国に票が集まってくるのではないか」
FIFA理事たちの“良識”に期待していたのである。
実際、1回目の投票でロシアとカタールがトップとなった。だが、予想に反して2回目以降でもロシア、カタールの両国が票を伸ばし、2018年大会については2回目の投票でロシアが過半数の13票を獲得(スペイン・ポルトガルが7票。オランダ・ベルギーが2票)。2022年大会ではオーストラリア、日本、韓国の順序で脱落。4回目の投票でカタールが14票を集めた(アメリカが8票)。こうして視察報告でそれぞれ最下位だったロシアとカタールが開催国として選ばれたのだ。