■マラリアの恐ろしさ
予防接種がこれまでで最も大変だったのは1999年のワールドユース選手権(現、FIFA U-20ワールドカップ)を観戦にナイジェリアに行った時のことでした(狂犬病の予防接種代を浮かせるために、知人宅でトイプードルに噛んでもらったという話は「蹴球放浪記」の第103回「初めてもらったイエローカード」の巻を参照)。
海外渡航の際の予防接種専門の病院で、狂犬病のほかにA型肝炎など何本かの予防接種を受けました。しかし、担当の先生に「マラリアについてはどうにもできない」と言われたのです。
マラリアというのは世界中の熱帯、亜熱帯地方に蔓延している恐ろしい病気です。高熱が出て、死亡することも珍しくありません。後遺症も酷いといいます。
原因は「マラリア原虫」という寄生性の単細胞生物で、ハマダラカという蚊によって媒介されます。ですから、基本は虫よけスプレーなどを駆使して蚊に刺されないようにすることが重要になります。