後藤健生の「蹴球放浪記」第135回「マラリアの薬で危うく自我崩壊」の巻(1)カタール・ワールドカップに必要な準備の画像
1999年ワールドユースの記者証 提供/後藤健生

 海を越えれば、日本のように安全な国ばかりだとは限らない。時には、自衛が求められることもある。コロナ禍を知った我々は、感染症への対策が重要であることを学んだ。一方で、蹴球放浪家・後藤健生は、“その先”に必要な知識があることも訴える。予防策の副作用を、予防する必要があるのだ。

■いざ、カタールへ

 ワールドカップ観戦のため、間もなくカタールに渡航します。海外旅行は、新型コロナウイルスによるパンデミックが始まる直前、2020年1月のタイ旅行(AFC U-23アジアカップ取材)以来のことなので、なんかとても億劫な気もします。もちろん、ワールドカップ観戦は楽しみなのですが、なにしろ行き先が「世界で一番退屈な街」ドーハなのですから……。

 出発を前に、医療機関を巡りました。根元が折れかかっていた奥歯を1本抜歯。そして、新型コロナウイルスの5回目のワクチン接種とインフルエンザのワクチン接種も済ませました。2週間後にカタールに向けて出発する頃には抗体が作られて、免疫ができているはずです。

 世界中からさまざまなウイルスを持った人たちがドーハという1つの街に集まってくるわけですから、なんらかの形で感染が拡大するのは間違いないでしょう。しかも、世界各地のさまざまな変異株が1か所に集まることによって、また新たな変異株(カタール株?)が生まれる可能性もあります。

 12月に帰国する時に、そうした新たな変異株を日本に持ち帰ってしまうリスクを少しでも低くするために、ここはしっかりとワクチン接種をしておかなくてはなりません。

 幸い、5回目のワクチン接種は4回目までと比べて副作用は軽くて済みました。

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