■「俊さんバブル…!」

 迎え撃つクラブが驚くほどのチケットの売れ行きが、中村のラストゲームへの関心であることは容易に想像できる。とはいえ、これほどの事態に陥るというのは想定外だったことだろう。クラブのツイートを拡散するファンも、驚きを禁じ得ない。

「前売はまだ残っているのに当日券発売中止…」
「そ、そんなことあるのか…!」
「うおおおお熊本札止め! 中村俊輔と合わさってしまったからだねえ!」
「俊さんバブル…!」
「これは2万人はほぼ確で来そうな気がする」
「こんな事って個人的には記憶にないレベルなんだが」

 ただし熊本としては、驚いてばかりもいられない。リーグとしては最終戦だが、その後のプレーオフの勝利、さらなる未来も勝ち取っていかなければならないのだ。

 ファンも、そのあたりは理解している。

「スゴいな。ここで熊本が魅せたら、熊本サポが増えるかもしれないよね。熊本の選手にとっては、燃える展開」

 熊本の今季ここまでの1試合平均観客動員数は、3165人。前回ホームゲームで記録した今季最多の5472人を超えることは確実とみられるが、J1昇格という未体験の世界の扉を開けるには、良いきっかけとなるかもしれない。

 熊本が4位のままでリーグ戦を終われば、プレーオフ1回戦をホームで戦うことが確定する。

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