■メキシコW杯の苦い思い出

「渋滞」と聞いて思い出すのが、1986年のメキシコ大会です。

 メキシコ市内ではメイン会場のエスタディオ・アステカのほか、エスタディオ・オリンピコが使用され、隣りのネサワルコヨトル市でも試合がありましたが、カタールと違って同じ日にメキシコ市内で複数の試合が行われることはありませんでした。それでも、渋滞がひどかったのです。

 5月31日の開幕戦は前回優勝のイタリア対ブルガリアの試合でした。ホテルからタクシーに乗ってアステカに向かいました。すると、案の定、ペリフェリコ(環状高速道路)は大渋滞。「開会式には間に合わなくてもいいが、せめてキックオフまでには着きたいものだ」と弱気になってしました。

 しかし、ふと前を見るとブルガリア選手団の乗ったバスも渋滞に巻き込まれてしまっていたのです。どうして警察が交通規制をしなかったのか、いまだに謎なのですが、これで一安心。選手が到着しなければ試合は始まらないでしょう、たぶん。

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