■失点もファンサービスの一環

 J1のシーズン最多平均得点は1998年のジュビロ磐田がもっている。34試合で107得点(1試合平均3.147)点と、ほぼ「π」(パイ)に等しい数字である。平均3得点を記録しているのは、現在までこのシーズンの磐田だけだ。

 一方、最少失点の記録は2008年の大分トリニータだ。34試合で24失点(1試合平均0.706点)にとどめ、クラブ最高成績の4位を収めた。2位には2011年のベガルタ仙台と2019年のセレッソ大阪が並び、ともに34試合で25失点(1試合平均0.735点)。4位(仙台)、5位(C大阪)という好成績の要因となったが、2004/05シーズンのチェルシーや1969/70シーズンのカリャリやフェネルバフチェには遠く及ばない。だが、少なくとも1試合に1点程度の失点があることは、非常に「健全」なことであるようにも思う。

 誰も失点などしたくはない。しかしサッカーが「1点と2点の間のゲーム」であるなら、失点があってもそれを乗り越えて2点目を取ろうと努力しあうのがサッカー、なかでもプロサッカーというものであるはずだ。失点も、広く考えればファンサービスの一環なのである。1シーズンに6回しか失点しなかったというのは、別の見方をすれば、「プロとして不適格」ということになるのではないだろうか。

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