■伊藤監督は積極的にカードを切ったが
0対0で推移していくなかで、伊藤監督が先に動いた。55分、MF名倉巧に代えてFW富樫敬真を投入する。富樫は中山と2トップを組み、遠藤康が2列目中央から右サイドへポジションをスライドさせた。
63分には2枚替えをする。伊藤監督は松下とMF氣田亮真をベンチへ下げ、梁と加藤千尋を送り出す。
同じタイミングで、大分も選手交代をする。FW呉屋大翔と金崎を起用し、1トップから2トップに変更してきた。このところお馴染みの交代で、攻撃のギアを一段上げるメッセージが込められている。
果たして、仙台は77分に被弾する。金崎に起点を作られ、呉屋に決められた。
1点を追いかける仙台は、77分にFW皆川佑介とDF蜂須賀孝治がピッチに立つ。皆川と中山が最前線に並び、富樫を加えた変則の3トップのようになる。しかし、得点を予感させるシーンは訪れない。88分、遠藤のロングパスから加藤がDFラインの背後を突いた場面は、左足のシュートが大きく枠を逸れた。
思い描くような攻撃を繰り出せないまま、仙台は試合終了のホイッスルを聞いた。GK小畑裕馬の好守がなければ、大量失点を喫してもおかしくなかった。スコアは最少得点差でも、完敗と言わざるを得ない内容だった。
試合後の伊藤監督は、「我々は勝たないといけないので、まずはそこの得点というところで、もっともっとゴール前へ入っていかないといけない」と話した。3位の岡山との勝点差が「8」に広がっただけでなく、ロアッソ熊本に抜かれて5位に転落した。そして、6位の大分には勝点で並ばれている。
中3日で迎える次節は、栃木SCとのアウェイゲームだ。3戦負けなしと粘り強い戦いを続けている相手から、勝点3を奪うことができるのか。仙台の正念場は続く。