■圧倒的なボール保持でリードを奪う
開始早々にホームチームが先制点を叩き込む。7分、知念からの縦パスをライン間で受けた大久保が、トラップの瞬間を狙って奪いに来た染谷悠太を華麗にかわす。そして裏に抜けた松尾へスルーパスを出すと、これをペナルティエリア左で受けた松尾がワンタッチで流し込み、リードを奪った。
いつも左CBでプレーするショルツが右利きなのに対し、知念は左利き。その特徴を活かしたボールの持ち方と縦パスから生まれた先制点であった。本人も試合後ミックスゾーンにて、このパスについて「狙っていたところ。(自分が)左利きということは意識している」と語った。
ここから浦和は、ほとんどの時間帯をボール保持の局面で過ごす。4-2-3-1からCHの伊藤とトップ下の大久保をIHに据えた4-3-3に可変。岩尾が周囲の状況を見てCB間に降りることも含めていつも通りのビルドアップを実行した。ボールを持ったときに頑なにつなぐ意思を見せた側面もあるが、そもそも緊急のロングボールを蹴らされるほどプレッシングで組織的に追い込まれる機会があまりなかったため、地上からの攻撃が続いた。
すると24分、地を這うようなパス2本から追加点が生まれる。巧みなポジショニングで岩尾からの正確な縦パスを受けた伊藤が、裏に抜けたシャルクに鋭いスルーパス。シャルクはペナルティエリア中央からワンタッチで狙い、一旦はGK佐々木雅士に弾かれたものの、こぼれ球を自ら押し込んだ。シャルクはこれが嬉しいJ1初得点となっている。
その後、柏レイソルはプレッシング陣形を5-3-2から5-4-1に変更。浦和の4-3-3に対してよりマークが噛み合いやすくなるよう手を打った。この変化によって浦和のチャンスは序盤よりも減ってしまい、以降はスコアに変動もなく前半が終了している。