蹴球放浪家・後藤健生の取材は、多岐にわたる。対象は人間のみならず、「物体」 にも及ぶのだ。日本の才能のみならず、ブラジルのカカ、アルゼンチンのサビオラらが出場した2001年の現U-20ワールドカップは、ピッチ外でも蹴球放浪家に衝撃を与えた。
■収集家がいたサッカーの入場券
この「蹴球放浪記」では、毎回ビジュアルとして各大会の入場券やADカードをご紹介しています。
昔の入場券は、デザイン的にとても美しいものでした。
たとえば、連載の第1回(「いちばん美しいチケット」の巻)でもご紹介した1974年の西ドイツ・ワールドカップの入場券。試合の開催日、開催都市、席種(カテゴリー)がそれぞれのカラーで表示されています。そして、それらのカラーが組み合わされて印刷されているので、入場券の一枚一枚がそれぞれ違う色柄になっているのです。
だから、昔はヨーロッパでは入場券の収集というのは立派な趣味で、スタジアムの外には「使用済みの入場券が欲しい」という人がいっぱい立っていました。