「後藤健生の「蹴球放浪記」第127回「珍しいプラスティック製の入場券」の巻(1)消えゆく美しきチケットたちの画像
プラスティック製のワールドユース決勝の入場券 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生の取材は、多岐にわたる。対象は人間のみならず、「物体」 にも及ぶのだ。日本の才能のみならず、ブラジルのカカ、アルゼンチンのサビオラらが出場した2001年の現U-20ワールドカップは、ピッチ外でも蹴球放浪家に衝撃を与えた。

■収集家がいたサッカーの入場券

 この「蹴球放浪記」では、毎回ビジュアルとして各大会の入場券やADカードをご紹介しています。

 昔の入場券は、デザイン的にとても美しいものでした。

 たとえば、連載の第1回(「いちばん美しいチケット」の巻)でもご紹介した1974年の西ドイツ・ワールドカップの入場券。試合の開催日、開催都市、席種(カテゴリー)がそれぞれのカラーで表示されています。そして、それらのカラーが組み合わされて印刷されているので、入場券の一枚一枚がそれぞれ違う色柄になっているのです。

 だから、昔はヨーロッパでは入場券の収集というのは立派な趣味で、スタジアムの外には「使用済みの入場券が欲しい」という人がいっぱい立っていました。

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