■岩波のニアそらし再び
後半、浦和は関根を右WBに置いてシステムを5-3-2に変更。相手のクロスに対してエリア内の枚数を増やして確実に跳ね返しつつ、まずはこれ以上の失点を防ぐことを優先する。その上で、カウンターの局面では2トップに入ったキャスパー・ユンカーと松尾のスピードを活かして得点を狙う意図を見せた。
すると68分、大畑歩夢が巧みな股抜きからの突破を試みたところでファウルをもらう。左サイドからのFK、岩尾が蹴ったボールに合わせたのは岩波だった。ACL準々決勝パトゥム・ユナイテッド戦でのヘディング弾を彷彿とさせる“ニアそらし”で同点ゴールを奪うことに成功している。
以降は両チームともにシステムを細かく変動させつつ戦う。そのなかで浦和は岩尾、伊藤敦樹、柴戸海の3人同時起用を敢行するなど新しい形を見せた。しかし逆転ゴールを奪うには至らず、アディショナルタイムに明本考浩が迎えた決定機も決めることができずゲームは2-2で終了。2万人以上が詰めかけたビッグゲームは痛み分けに終わっている。
浦和にとって最初に2失点を喫したことは悔やまれる。警戒していたクロスからゴールを奪われたとなればなおさらだ。しかし、リカルド監督の言葉通り「しっかりと修正してからチームは立て直して良いプレーができていた」のも事実。こうした試合途中での修正をさらに早めて、その精度を高めることができれば、勝つ可能性をぐっと引き上げることができるはずだ。