川崎フロンターレがサガン鳥栖戦で見せたパス回しが脚光を浴びている。新型コロナの影響で延期となっていた8月31日に行われたこの試合は、川崎が4-0で圧勝。4点リードしたその試合終盤に、“ピッチの芸術”とでもいうべき話題のプレーが現れた。
途中出場したMF瀬古樹が相手陣内でヘディングでボールを落とし、それを大島僚太が収めた場面からパス回しは始まる。大島は中央にボールを前進させると、中央に寄ってきた家長昭博、瀬古、ジョアン・シミッチ、家長とつなぎ、家長がここでテンポを速めて前目で相手選手を背負っていた大島に当てる。
大島は瀬古に落とすと、そこから左ウイングの宮城天に渡す。若きドリブラーは、大島にボールを渡すとそのままポジションをスイッチ。大島は、代わりに左に張った瀬古にパスを出す。瀬古はこれをダイレクトで中に送るのだが、その強いクロスをペナルティエリア内で家長は右足でいとも簡単にトラップ。足に吸い付いたかのようなボール扱いに相手選手も寄せきれない中、背番号41はペナルティエリア内の右にいた小林悠にパスを出す。
ベテランストライカーは体をマイナス方向に移動させながら、ダイレクトで左足シュート。しかしこれは枠をわずかに外れ、得点とはならなかった。相手GKが一歩も動けなかった場面だけに、小林も悔しさを隠し切れなかった。