■実感した大陸移動説

 南米大陸というのは大変に広大な大陸ですから、アンデス山脈の猛々しい巨大な山々や高原地帯。アルゼンチンの広大な大平原(パンパス)などさまざまな景観があります。パラグアイからブラジルにかけては、比較的低くてなだらかな山というか丘が連なっている印象です。

 長距離バスに乗ると、道路は上ったり下ったりの繰り返し。要するに、うねうねとした大地が続くわけです。そして、黒い土や鉄分を含んだ熱帯特有の赤い土(ラテライトまたはラトソル)も印象的です。

 南米大陸に行った時のそんな記憶が、僕の頭の片隅に残っていました。

 そして、1999年にワールドユース選手権の取材でナイジェリアに行って、組織委員会が用意してくれたマイクロバスや自分たちで手配した運転手付きの車などで国内を巡っているうちに「なんか、ブラジルの風景に似ているな」ということに気が付いたのです。

 なだらかな山とも丘とも言えないような起伏が続き、そして、あの熱帯特有の赤土もあちこちで見かけます。それに、生えている木々もどこか似ているような気がしてきました。

 なんで、そんな気持ちになったのかなぁ……。

「そうだ、大陸移動説によれば、昔はナイジェリアはブラジルの北東部(レシフェがあるあたり)とつながっていたはずだ。だから、似ているんじゃないか?」

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