後藤健生の「蹴球放浪記」第124回「ナイジェリアで大陸移動説を実感する」の巻(1)大西洋を挟んで重なる風景の画像
1999年ワールドユース選手権のADカード 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界各地の風景を目に焼きつけてきた。世界をまわっていると、ふと既視感にとらわれることもある。1999年のワールドユース取材中に頭に浮かんだのは、大西洋の向こう側、「サッカー王国」ブラジルとの類似点だった。

■各国で大きく異なる山の姿

 山の形というのは場所によってかなり違うものです。

 日本国内だったら中部山岳地帯のいわゆる“日本アルプス”などは急峻な山々が連なっています。九州には阿蘇や霧島のような巨大な火山が存在します。ですが、中国地方から北九州にかけてはどちらかというと傾斜がなだらかな山が並んでいて、とても穏やかな景色になります。そして、その中国地方から北九州にかけての景観は朝鮮半島南部の釜山あたりの景観にもつながっています。

 比較的低い山が海に迫っていて、街中が坂道だらけなところは長崎と釜山はそっくりのような気がします。

 遠く離れた地域でも、たとえば香港島の「ピーク」などのような急な斜面に取り囲まれた香港のビクトリア港は、南米ブラジルのリオデジャネイロにどこか似ています。あのキリスト像のあるパンデアスカルなんかも、香港にもありそうな花崗岩質の岩山です。

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