■8月14日/明治安田生命J1第25節 鹿島アントラーズ 2ー0 アビスパ福岡(カシマ)
鹿島アントラーズが岩政大樹新監督の体制の初陣を完封勝利で飾った。前半10分にオウンゴールで先制すると、その1点を守りながら時間が推移。後半アディショナルタイムにエヴェラウドが追加点を奪って試合終了のホイッスルを聞いたのだ。
鹿島が復活した。それを象徴した場面が、先制点直後だ。そもそも前半10分のこのゴールは、公式記録だけを見れば「オウンゴール」になるが、それ以上の重みを持つ。
その起点は、MF樋口雄太のサイドチェンジだ。左サイドから右サイド深くに送られたボールを、常本佳吾は頭で中に入れる。それをペナルティエリアで受けたのが、鈴木優磨。背番号40のFWはファーストタッチで背後からマークする相手DFの逆を突くと、縦に突破。相手DFがなんとか阻止しようと伸ばす足も構わずボールをコントロールし、ゴール前にシュート性のパスを通そうとする。
するとこのボールが相手DFに当たり、そのままゴールネットを揺らしたのだ。鈴木の強い気持ちがもたらしたとしか言いようがないゴールだった。
先制点をもたらした鈴木が、喜ぶことなく真っ先に走って向かったのがベンチ。そして、岩政大樹監督にジャンプして飛びかかると、そのままピッチに押し倒したのだ。そのまま2人は熱く抱擁。苦しむ鹿島を立て直そうとする2人の気持ちが表れた場面だった。