8月7日に行われたJ1・24節の川崎フロンターレと横浜F・マリノスの対決は、名勝負となった。ディフェンディングチャンピオンと現在首位に立つチームの対戦だから当然ではあるが、ゲームが白熱した理由がある。熱戦のポイントを、サッカージャーナリスト・後藤健生がひも解く。
■内容で上回ったのはどちらか
横浜のケヴィン・マスカット監督は「結果は残念だが、試合は完全にドミナイト(支配)していた」と語った(オーストラリア英語なので、ドミネートではなく「ドミナイト」)。
しかし、僕には横浜が試合を支配していたようには見えなかった。
まさに、日本サッカー史上最強チーム同士のハイレベルな攻防でほとんど互角の展開だったが、もし「判定の旗を上げろ」と言われたら、僕は躊躇なく川崎の勝利を選択したと思う。
川崎フロンターレは2020年、2021年とJ1リーグを連覇中。いや、2017年に初優勝して以来5シーズンのうち4度も優勝しているチームだ。そして、5シーズンの中で唯一優勝を逃した2019年に優勝したのが横浜F・マリノス。そして、昨年は川崎が勝点92という圧倒的な強さで優勝したが、横浜も勝点79という優勝に値する成績で準優勝していた。
つまり、この試合は現在の日本のサッカー界をリードする2強のぶつかり合いだった。