■仙台の反撃はPKの1点にとどまり…

 前半を0対1で終えると、次に得点を奪うのも仙台ではなかった。

 68分だった。デザインされた右CKから、長崎にゴールを割られてしまう。

 ハーフタイムにMF中島元彦を投入していた原崎政人監督は、70分にMF鎌田大夢、77分にMFレアンドロ・デサバトと、交代のカードを切っていく。85分にはDF福森直也と、21歳のMFオナイウ情滋が起用される。前日に特別指定選手として承認されたばかりの快速アタッカーが、来シーズンの加入内定を前にJリーグデビューを飾った。

 試合の主導権は握っている。83分にはビッグチャンスをつかむ。自陣からのロングボールを、FW中山仁斗が相手DFと競りながら収める。サポートしてきた中島へパスを通す。背番号44はペナルティエリア内からフリーで左足を振り抜くが、枠をとらえることはできなかった。

 ようやくゴールが生まれたのは、90+3分だった。中山が自ら得たPKを決めるが、1対2で終了のホイッスルを聞く。背番号9のJ2通算50点目は、勝点奪取につながらなかった。

 仙台対長崎戦より1時間キックオフの早い試合で、首位のアルビレックス新潟ファジアーノ岡山に敗れていた。新潟との勝点3差を詰める好機を、仙台は逃してしまったのだった。

 不運に襲われたのは間違いない。あの1点が認められていなければ、試合の行方は変わっていただろう。そのうえで言えば、仙台が好機を生かしきれなかった印象もある。試合後の原崎監督は「しっかり決め切るところと簡単な失点をなくして、勝ち切れるチームにしたい」と、自分たちの矢印を向けた。

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