■ひとつの「成功」の翳り

 2018年には長谷川健太監督(現・名古屋監督)が就任すると、フィッカデンティが作り上げた守備の組織をベースにカウンター攻撃の形を作り上げて、選手のモチベーションを上げることによって2019年には年間2位とクラブ史上最高の成績を記録した。

 この年の“成功”の立役者はディエゴ・オリヴェイラ永井謙佑だった。

「堅守」でボールを奪ったら、ロングボールを送り込んで2人を走らせるのだ。永井がボールを追って敵陣深いところでポイントを作る仕事を献身的にこなして、東京の攻撃の主力を担っていた。俊足を誇る永井がキャリアの中で最も輝いたシーズンだったかもしれない。

 永井、ディエゴ・オリヴェイラだけでなく、アダイウトンにせよ、レアンドロにせよ、カウンターでこそ生きるタイプの選手である。

 そんな「堅守速攻」で一つのピークを迎えた東京だったが、2021年シーズンに入ると永井やディエゴ・オリヴェイラの動きに翳りが見え、またチーム全体がマンネリに陥ったことで失速して長谷川監督も退任。

 そして、2022年シーズンから、J2のアルビレックス新潟で素晴らしいチームを作り上げたアルベル・プッチ・オルトネダが監督に就任したのだ。そして、アブベル監督はこれまでの東京とはまったく異なったコンセプトのポゼッション重視のチームを作ることを目指し、苦戦を続けているのだ。

(2)へ続く
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