■「世界最強」相手に互角の戦い
さて、日本代表が対戦したフランスは、今年のシックス・ネーションズ（欧州６か国対抗戦）で全勝優勝を飾ったチームだ。２０２３年に自国で開催されるワールドカップに向けて強化を進めており、昨年はニュージーランドも破っており、“世界最強の一角”と言ってもいい強豪だ。
そのフランスを相手に、日本代表は大接戦を演じた。
開始早々にトライを取られたものの、その後、何度かチャンスをつかんだ日本はフルバックの山中亮平が２つのトライを決めて、前半は日本代表が１５対７とリードして折り返した。だが、後半に入ってフランスが圧力を強めると日本は反則を繰り返してしまい、フランスがペナルティーゴールを積み重ねて点差を詰める。そして、早いリスタートから抜け出して逆転のトライを決められてしまう。
だが、後半３５分にはラインアウトからの攻撃でテビタ・タタフが再び同点となるトライを決めた（コンバージョンキック＝ゴールも決まれば再逆転）かと思われたのだが、ボールをグラウンディングする前に腕からボールがこぼれてしまっており、ＴＭＯ（サッカーで言うＶＡＲ）判定によって日本のトライは取り消されてしまった。こうして、日本は後半は無得点に終わり、１５対２０、５点差の敗戦となった。
それでも、日本は“世界最強”相手に互角に近い戦いをしたと言っていいだろう。
もちろん、今回来日したフランスは若手主体のチームだったが、日本代表の方も必ずしも最強メンバーではない。ワールドカップまで１年あるので、どちらの国にとっても新戦力を発掘してラージグループを作ることが目的の試合だった。
