後藤健生の「蹴球放浪記」第116回「久保建英の“移籍先候補”レアル・ソシエダのあるサンセバスティアンの思い出」の巻(2)サッカージャーナリストを救った1971年の日本代表の画像
2002年5月には、日本代表はレアル・マドリードと対戦した 提供/後藤健生

 久保建英の新シーズンが噂になっている。スペインのクラブが、候補に挙がっているようだ。ビッグクラブではないが、2021-22シーズンも6位で終えた名門だ。蹴球放浪家・後藤健生は20年前、すでにそのクラブの本拠地を調査していた。

■美食の街サンセバスティアン

 バスク地方はどこに行っても美味しい食べ物があります。とくに金持ちたちの避暑地だったサンセバスティアンは美食の街として有名で、バールをはしごしながらワインを片手に「ピンチョス」と呼ばれるパンの上に様々な食材を乗せた軽食を食べ歩くのが有名です。

 僕が2002年にこの街を訪れたのは「レアル・ソシエダ」の試合を見るためではありませんでした。某有名スポーツ雑誌からレアル・マドリード(これも、「ソシエダ」と同じ理由で「マドリー」という表記が多いようです)の取材依頼があったのです。レアル・マドリードがこの年のトヨタカップに出場するので特集号を作るというのです。題して「レアル・マドリードの100年」。1902年に生まれたこのクラブは、ちょうどこの年、100周年を迎えていたのです。

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