■見事だった得点シーン
実際、決定機は多かった。
前半22分に鈴木唯人が韓国DFの前にうまく体を入れてファウルを誘って獲得したFKを、鈴木唯自身が蹴って先制。相手の壁に当たってシュートコースが変わるという幸運もあったが、強烈なシュートはクロスバーの下をかすめるようにゴールに突き刺さった。
その後、ワントップの細谷真大がDFラインの裏に飛び出して何度も決定機をつかんだものの、相手GK閔盛俊(ミン・ソンジュン)の好守もあってなかなか追加点を奪えない。「決める時に決めておかないと……」という格言めいた言葉が頭をよぎる展開となったのだが、65分に右サイドで形を作った後、藤尾翔太のパスを受けた鈴木唯が突破してシュート。これは、GKの閔盛俊がはじかれたが、ストライカーらしい嗅覚で長い距離を走り込んだ細谷が押し込んだ。
そして、80分には外からのクロスを受けた鈴木唯が右に出ると見せて、左に反転してスーパーゴールを決めて韓国を突き放した。
見事な攻撃力だった。そして、それを支えたMFの藤田譲瑠チマと山本理仁の東京ヴェルディ育ちの2人が安定した動きで攻撃陣をサポートし(テクニシャン・タイプの山本がフィジカル的に強くなったのが大きい)、チェイス・アンリと馬場晴也のセンターバックコンビも韓国のFWをシャットアウトした。
また、相手GKの閔盛俊も素晴らしいセービングを連発したが、日本のGK鈴木彩艶はそれをも上回った。ジャンプの高さと正確なキャッチング技術。カバー範囲の広さ、そして、キックでもスローでも遠くの味方につなげる展開力。さらによく通る声でのコーチングと、GKに求められる多くの要素を高いレベルで実現。大物ぶりをいかんなく発揮している。
つまり、どのポジションを比べても、Uー21日本代表は韓国を上回っていたのだ。