■南野との共存は可能か?
そこで考えるのが三笘と南野の共存だ。完全なサイドアタッカータイプの三笘と左WGに入って中に絞ったり、センターフォワードやトップ下、シャドーの位置で持ち味を発揮できる南野を左WGのポジションで比べてしまうのは少し違う。タイプも異なり、現在の代表のシステムでは果敢に仕掛けるサイドアタッカーの方がWGとして機能するというだけだ。
単純に相手のレベルが上がったということもあるが、南野は4−3−3のシステムにしてからの代表でのゴールは、2022年2月のサウジアラビア代表戦のみ。左サイドバックやセンターフォワードとの組み合わせや相性などもあり、南野が完全に機能していないというわけではない。選手の適性を見ると、南野はやはり中央でプレーすべきだ。リバプールでもCFの位置でプレーすることもあり、ゴールにより近い位置でプレーすることで能力を発揮できる。
南野の狭いスペースでも打開できるテクニック、欧州で磨かれた得点感覚を活かさない手はない。ポストプレーもでき、抜群のスピードからDFラインの裏へ抜け出しゴールまで直結することができる。ゼロトップシステムに近い形となるが、CFとしてのプレーも期待できる。そう考えると、三笘を左WGでスタメンに起用し南野をCFに置くべきだろう。もちろん古橋亨梧や上田綺世、前田大然もCFの候補ではある。ただ南野と三笘が共存できれば、3トップの攻撃力はさらに増すことだろう。
今回の代表戦では大迫勇也が不在。大迫への依存を打開するためにも、6月シリーズの最終戦となるチュニジア代表戦では、南野をCFに置き三笘を左WGに起用して適性を見極めるのもいいのではないか。普段見られないシステムを試すことができるのも親善試合を行う理由の一つ。チュニジア戦を新布陣や新システムを試す絶好の機会にしてほしい。