6月6日、日本代表はブラジル代表と対戦し、0-1で敗れた。世界ランキング1位であるだけではなく、最強メンバーをそろえたセレソン相手のPKによる1点差の敗北は、何を意味するのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底討論した。
■「戦術・伊東」は通用しない
――CKは多くありましたが、決定機はありませんでした。
大住「ワールドカップのアジア予選では伊東純也にお任せで、“戦術・伊東”なんて言っている人がいたけど、ワールドカップではそれは通用しないと思う」
後藤「あくまで相対的なものだから、相手がモンゴルやミャンマーなら“伊東”も要らないけどね」
大住「ブラジルのサイドバックがガンガン上がってくれたら隙もあったかもしれないけど、特に左のギリェルメ・アラーナは伊東を抑えることに専念していたよね。チッチ監督もコーチ陣も、日本を研究したと言っていた。もはや、ワールドカップで日本を甘く見てくれるような状況ではないから」
後藤「今回は0-5くらいで負けておいた方がよかったかもしれないね。そうしたらドイツやスペインは油断してくれかもしれない。韓国には、そういう深慮遠謀があったのかな」
――とはいえ、日本の枠内シュートがゼロだったのは気になります。
後藤「枠内に飛びそうだったシュートは、23分に左CKに遠藤航が合わせたものくらいかな。韓国は攻撃の回数が少ない割には枠内シュートがあったし、実際に1点取っている。日本と韓国の、その違いはすごく面白い」