■目の色が違ったサイドバック
大住「ブラジルがペースを落としたような気もしたな」
後藤「疲れていたよね。僕は65分の時点で、“ブラジルが疲れてきた”とメモしている。そうしたらチッチ監督にも疲れが感じられたのか、それくらいの時間から選手を代え始めたけど、十分に上げ切れずにPKの1点だけで終わってしまった」
大住「今回は日本代表が1週間、合宿して練習をしてきているんだよね。ワールドカップの初戦にも、こういう状態で臨むことになる。そう考えると、集まって1週間でこのくらいのプレーができるなら、ひどいことにはならない」
後藤「酒井宏樹も冨安健洋もいない状況でも、最終ラインがこれだけできたことは、褒めてあげていいんじゃないですか」
大住「もちろんだよ。特に長友佑都がすごかった」
後藤「こういう相手になると目の色が変わるね」
大住「かつての長友が蘇った、という感じだった。81分までプレーしたんだからね。普通の長友だったら、いつも通りに60分くらいで交代だったと思うけど、監督もすごいプレーだと思っていたんじゃないかな」
大住「走る姿が違った。気持ちが乗っていたし、僕が言っているもっとリスクを冒すというのは、ああいう走りが欲しかったということ。もっと本気で点を取りにいってほしかったんだよ。普通にパスをつないでサイドを破って、クロスを入れたら点を決められると思ったら大間違い。もうひとつ何か驚かせるものが必要で、そのためのいつも以上の走りをしていたのが、間違いなく長友だった。全員に、もう少しずつああいう走りをしてほしかった」