■伊東も5大リーグへ行くべき

 右ウィングでスタメン出場した伊東純也はアジア最終予選では圧倒的だった。サイドでの仕掛けで相手を1人、2人剥がしてクロスなどでチャンスを続々と演出していた。所属するヘンクでもドリブル突破やワンツーなどで抜け出してチャンスメイクやフィニッシュでチームに貢献。代表レベルではアジア、そしてベルギー国内では個の力で打開ができる。伊東はCL出場経験もあり、世界レベルのプレーを経験しているが、まだ少ないと感じる。

 試合後の会見で長友佑都が「最終的なアタッキングサードのところで個で剥がせないと、本当の意味でのチャンスを作るのは難しいなと感じています」と語ったように強引にドリブルで行く選手も必要。インテルで世界最高峰を経験した長友は「一人一人個で剥がす。取られてもいいから、勝負をしにいくというそういう強気な姿勢を見せていかないと難しくなってくる」と強調し、「結局最終的に個で剥がせないと世界では勝つことは難しい。勝てる確率を増やしていかないとベスト8までいけない。そういった意味では最終的な個の力を伸ばしていかないといけない」と語った。

 やはりW杯でベスト8以上を目指すのであれば、日本の武器であるサイドの選手が強引にでも突破できる力を身につけるべき。そういう意味でも伊東には5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)でプレーしてほしいところ。もちろん、伊東が今夏の移籍市場で移籍することはリスクもある。また、年齢的にも5大リーグへの移籍は難しくなってくるだろう。だが日本の将来のためにも、早く欧州主要国でプレーしてほしいところだ。

 ブラジルは個の力が圧倒的。それはサイドでも中央でも守備でもそうだ。その圧倒的な個の力があるからこそ、ゴール前まで繋いでフィニッシュの部分で活きてくる。ブラジル戦の伊東は周りとの連係でうまく崩せた場面もあったが、それプラス個の力でもっと仕掛けても良いはずだ。もちろん、日本があまりボールを保持することができなかったのも事実。少ない時間でもボールを受けられる動き、テクニックなどを学んで個で打開できる選手になってW杯に臨めるとベストだ。果たして、伊東はW杯までのこの5か月でどれだけ成長できるのだろうか。

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