日本代表は6月、ブラジル代表などとの4連戦に挑む。開幕まで半年を切ったワールドカップに向けて、重要な準備期間となる。中3日で試合が続き、「模擬ワールドカップ」とも言える6月シリーズを、いかに本番での躍進につなげるべきか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くす。
■メンバー発表ににじむ決意
――まずはメンバー選出をどうとらえたか教えてください。
大住「悪い意味ではなく、森保一監督がもうチームを変える気がないな、ワールドカップをこのメンバーで戦うんだなという決意が感じられた」
後藤「準備期間がないということを考えると、これから新しいことに取り組むのは不可能。いつものワールドカップのように、大会前に早々と集まって国内と現地で合宿をして準備ができるならいいけど、今回は直前に集まってそのまま大会に臨む。この6月の長期間の活動の後、本大会に臨むメンバーは9月の試合が最後。新しいことをやろうと思っても、もう不可能だよ」
大住「その後に集まるのは、大会の1週間前(11月14日)だからね。だから今回は、ベースとなるコンセプトを確認する。森保監督もそれが一番大事なことだと言っているから、人もほとんど変えない」
後藤「この日程だと、それ以外の選択はあり得ないよね」
大住「懸念するのは、この6月の4試合をヨーロッパ組にやらせると、彼らはいったいいつ休むのか、ということ。去年も5月末から5試合やって、吉田麻也と酒井宏樹と遠藤航はオリンピックにも出た。さらに来年には、アジアカップがあるんだよね。誰が監督であれ、できるだけ強いチームで臨みたいと考えるだろうから、そうすると選手はいつ休めるのか。果たして3年間も完全なオフなしでやれるのか。選手がどうなるのか非常に不安だよ」