■5月29日/明治安田生命J1第16節 京都サンガ 1ー0 川崎フロンターレ(サンガS)
川崎フロンターレがピッチの上で迷子になっている。圧倒的な強さでリーグ2連覇を成し遂げたチームは、Jリーグ史上最強チームとも言われていた。その根源は、攻撃力。鬼木達監督が「1試合3得点」を目標に掲げるほど、相手チームのゴールネットを揺らし続けてきた。実際、Jリーグの記録を次々と塗り替えた2シーズンでもあった。
しかし、今はその自慢の攻撃力が鳴りを潜めている。それを象徴するのが、J1第16節の京都戦で記録した、3試合連続無得点だ。他のチームであれば、そこまで珍しくもないかもしれない。しかし、このチームにとっては異常事態だ。ゴールネットをこれほど揺らさなかったのは、実に10年ぶりのことなのだ。
京都戦では、いくつも決定機を作った。レアンドロ・ダミアンに小林悠といった前線の選手が、何度も決定機に直面した。しかし、いずれもスコアを動かすには至らなかった。試合後に指揮官は、「決め切るべきところで決めないと、こういうゲームになる。1点が重くのしかかるゲームにはしたくなかったが……」と悔しがった。
そういう意味では、直近の無得点ゲームである鳥栖戦、湘南戦とは種類が違う無得点だ。鬼木監督自身も、この2試合を「チャンスの数も多くなかった」と評価している。得点だけでなく、決定機の数も少なくなっている。