■破壊力と柔軟性を兼備

 今まではサラー、マネ、ロベルト・フィルミーノが3トップを形成してきたが、今季の構成は試合によって変動することが特徴だ。

 チームは昨夏にディオゴ・ジョタ、今冬にルイス・ディアスを獲得。両者は即戦力として加入後すぐにスターティングメンバーに名を連ねており、3トップの編成に大きなオプションを付け加えている。

 その上、本職が左WGのマネがCFとしての新境地を開拓。持ち前のインテンシティ高い守備を中央で発揮しつつ、攻撃時にはやや後ろに下がりつつ受けてゼロトップのようなタスクもこなせるようになった。

 また、コンペティションによってターンオーバーを駆使しつつ戦ってきたなかで、EFLカップとFAカップにおいて日本代表FW南野拓実はチーム得点王に。公式戦24試合で10ゴールを挙げており、3トップの構成メンバーとして躍動している。

 今までのような激しいプレッシングや欧州屈指の得点力といった破壊力を維持しつつ、最前線の構成パターンを柔軟に使い分けることによって戦い方の幅を広げることに成功したリバプール。史上最強を謳歌するチームの3トップは、イングランド勢初の4冠をもたらすことができるだろうか。

 

(2)へ続く
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