■「試合は勝点1ですが、勝利のように価値のある試合だった」

 実際の勝者はいないが、敗者は横浜に見えた。

 ユンカーの右手の3本指にはテーピングが施されていた。これは薬指を骨折して手術したものだ。ユンカーが勝ちに行く気持ちを強く見せた試合だった。結果は6試合連続の引き分けだったが、ユンカーのハットトリックでの復帰で浦和に光が見えた試合になった。

 浦和のリカルド・ロドリゲス監督は言った。

「試合は勝点1ですが、勝利のように価値のある試合だった」

 埼玉スタジアムの外に出ると、大きな赤めの月が顔を出していた。

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