前半が終わった時、いや、横浜の3点目が入った時、勝負は決まったと思った。
後半の浦和の反撃は想像できなくて、むしろ横浜の追加点だろう、くらいの気持ちだった。
サッカーに絶対などないことはわかってはいる。
「イスタンブールがあるじゃないか」
2005年5月25日のイスタンブールは忘れられない日だった。UEFAチャンピオンズリーグ決勝で前半に3点を奪ったミランが、後半リヴァプールに3点を奪われて、延長、ペナルティシュートアウトの末、負けてしまうというミランにとってはショッキングなものだった。
それから「イスタンブール」という言葉はイタリアの試合実況や新聞記事でよく使われるようになった。
試合が前半3-0となると、ふと思い出してしまうが、実際「イスタンブール」に遭遇することはめったにない。
水沼宏太、アンデルソン・ロペス、宮市亮らの歓びは、キャスパー・ユンカーの3発によって消されてしまった。