■これで終わりではない、という空気を強めた
ボールを保持しながらも13分にカウンターからネイサン・レドモンドに先制を許してしまったリバプールはすぐさま反撃に出るが、南野は17分には頭で落としてチャンスを作り出すと、20分にはエリア外から積極的にシュート。3トップの一員として起点からフィニッシュまで絡み、文字通りその一翼を担った。
そして27分、右サイドバックのジョー・ゴメスが入れたボールを収めたジョタが、南野へラストパス。エリアやや右を縦に突き進んだ日本代表FWは強いシュートをニアに突き刺し、リバプールが同点に追いついた。
フィルミーノを中心に左右に分かれるわけではない流動的な3トップにおいて、ボールを保持して押し込んだ時にはジョタと南野が被る場面もあったが、エリアを分担して担当するわけではなく、近い距離でプレーしあうメリットがゴールとなった。
サウサンプトンへのローンを経験している南野は、この場面で表情を全く変えず、両手で「何もしません」というジェスチャーまで加えてノーセレブレーション。古巣への敬意を表し、同時に、これで終わりではない、という空気を強めた。
南野はこれが今シーズン全コンペティション合計で10点目。24試合の出場で先発は9試合のみ。途中出場の中でも20分未満のプレーが10試合もあるという状況の中で2桁ゴールを達成してみせた。