55分、スローインからだった。レアンドロ・ダミアンから山根視来とつながれたボールは、飛び出した遠野大弥の後ろから来た。それを遠野は躊躇せずに右足で蹴った。今季初ゴールだった。
「ゴールは見てなくて、感覚だけでここじゃないかなと思い切り足を振れた。それがよかった」(遠野)
川崎の鬼木透監督は「全部を求めたらみんなが代表だ」と前置きしながらも、そんな遠野をこう評した。
「攻守でアグレッシブにやっていましたし、間で顔を出すタイミングもよかった。ランニングの良さは出ていたと思う」
川崎の2点目はすぐだった。
59分、車屋紳太郎が脇坂泰人のコーナーキックを頭で合わせた。これで勝負ありだった。
車屋は2月18日の今季開幕戦で右肩を脱臼して、復帰したのは4月15日、タイで集中開催となったACLだった。チームはACLでは敗退してしまったが、車屋は3ゴールを挙げて復活の手ごたえをつかんでいた。