■ACLで生きた浦和の手法
対照的なのは、新戦力の獲得だけではない。
リカルド・ロドリゲス監督は、昨年就任して以来、多数の新戦力を加えていくとともに、毎試合のように先発メンバーを変更し、多くの選手を複数のポジションで起用し続けている。その姿勢は、就任直後から1年半近くが経過した現在まで全く変わらない。
左のサイドバックをやっていたかと思うと、次の試合で(あるいは試合の途中から)FWとしてプレーする明本考浩などはまさにマルチ・プレーヤー。リカルド・ロドリゲス監督の申し子のような存在だ。
試合によって異なったメンバーで戦うことを昨年以来繰り返してきたことは、4月後半に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの戦いでは大きなアドバンテージとなった。
高温多湿の気象条件の中で「中2日の6連戦」を戦わなければならない過酷な大会では、どのチームも当然ローテーションしなければ、こなしきれるものではない。だが、浦和の選手層はアジアのライバルより明らかに厚かったし、毎試合のようにメンバーが変わるのは、浦和にとっては普段の国内リーグと同じことだったのだ。